ビルメンテナンスを業者に依頼した場合の相場について解説
ビルメンテナンスは専門の業者に依頼するのが一般的ですが、ビルのオーナーさんが気になることといえば、依頼料の相場ではないでしょうか?管理業務と一言で言っても各種設備の点検・管理から、屋外の清掃まで実に様々。1つ1つの業務に対し、適正な金額を支払っているのか、しっかり把握しておきたいものです。
そこで今回は、ビルメンテナンスを業者に依頼した場合の費用相場について解説していきます。
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ビルメンテナンスの費用相場とは?
ビルメンテナンスの費用を算出する方法は、延床面積当たりの単価で算出する形式か、1つ1つの作業ごとに費用を算出する形式(積み上げ式)かのどちらかです。延床面積の単価で算出する場合は、作業にかかる人件費から逆算します。逆に積み上げ式で費用を算出する場合人件費は除外され、あくまでも作業単価だけが加算されていきます。延床面積から算出された費用の相場は次の通りです。
- 床面積500坪程度の費用相場:坪あたり500円程度
- 床面積1000坪程度の費用相場:坪あたり1,000円程度
- 床面積3000坪程度の費用相場:坪あたり2,000円程度
ちなみに積み上げ式で算出した場合の費用相場は、業務内容によって変わります。
【業務別】ビルメンテナンス費用相場
では、積み上げ式で算出した費用の相場はどのように変わるのでしょうか?業務別の費用相場について、詳しく解説していきます。
エアコンクリーニング
ビル内に良く設置されている、業務用天井埋め込み式エアコンのクリーニングもメンテナンス業務の1つ。作業内容は次の通りです。
- エアコン内部を洗浄するため、カバーやフィルターなどの部品を取り外し
- 専用洗剤で汚れを分解したのち、高圧洗浄機で洗い流す
- エアコン内部、フィルター、カバーを乾燥し、最後に組み立てて、試運転
ここまで行ってくれていれば、問題ないでしょう。この内容での費用相場は30,000円~60,000円です。
管理員業務
ビルメンテナンスを外注した際、どの業者も管理員を常駐させます。管理員の業務としては、以下の4つが挙げられます。
- 窓口業務:共用スペースの鍵管理や受け渡し、宅急便の受付、苦情対応など
- 立ち合い業務:外注の修繕工事やゴミ搬出の立会い、救急対応など
- 点検業務:各種設備点検、建物の巡回、不審者の有無などの防犯業務など
- 報告連絡業務:日々の出来事を日報に記載、ビルオーナーへの報告など
常駐させる際の費用は人数や常駐させる時間帯によっても変化するため、費用相場も各企業によって様々です。
エレベーター保守
屋内で頻繁に利用されるエレベーターの保守業務も管理業務の1つ。建築基準法で定められている「法定点検」のほか、各種点検、作動油交換、清掃、各種調整などを行う「保守点検」、遠隔操作チェックや見守りチェックを行う「遠隔監視」などが主な業務内容になります。人的点検1ヵ月1回当たりの費用相場は以下の通りです。
- ロープ式・油圧式:20,000円~40,000円
- 巻銅式:16,000円~34,000円
消防設備点検
消防設備の点検業務は年2回の実施が消防法で定められています。費用は建物の延床面積で算出される場合がほとんどです。
- 延床面積が500~1000㎡の場合:20,000円~50,000円
- 延床面積が1000~2000㎡の場合:30,000円~80,000円
- 延床面積が2000~3000㎡の場合:50,000円~100,000円
その他、防災計画の立案や防災マニュアルの作成なども対応する場合があります。
駐車場管理
駐車場の管理も重要な業務の1つ。入出庫管理や交通整理のほか、精算機の改修や、釣銭補充、集金なども行います。費用の相場は次の通り。
- 基本料金(5時~22時):12,500円~14,000円
- 深夜料金(22時~5時):15,000円~20,000円
上記の金額は1日1名、8時間勤務の料金相場になります。
貯水槽清掃
ビルの貯水槽の清掃も業務に入ります。費用の相場は5トンまでの貯水槽であれば30,000円~40,000円、10トンまでの貯水槽であれば40,000円~60,000円になります。また、高架水槽の場合は5トンまでが10,000円~25,000円、10トンまでが15,000円~35,000円が相場です。その他、水質検査を請け負う場合もあります。
排水管洗浄
排水管清掃が業務内容に含まれることもあります。費用は建物の規模や排水管の数によって変わり、8階建ビルが60,000円~80,000円、10階建ビルが90,000円~110,000円、12階建て以上だと120,000円~が相場です。
機械整備
機械の整備作業を行うことも。費用相場は7,000円〜12,000円になります。メンテナンス中に部品交換などの修理作業が発生した場合は、別途料金が請求されます。
まとめ
ビルメンテナンスの費用算出法は「積み上げ式」と「延床面積の単価を使った形式」があります。積み上げ式の費用相場は業務によって変わるので、様々な業務内容と今払っている費用が相場とかけ離れていないか、ビルのオーナーさんはもう一度見直してみるのも良いかもしれません。また、どの業者にしようか迷っているのであれば、複数の業者から見積もりを取ることも有効な策の1つです。